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神奈川県三浦市から三重県亀山市へ拠点を移動
たかいく農園改めたかいく新舎

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《ヨメの日記》2008年3月25日 (火) 未明は雨のち濃霧のち春らしい晴れ
ソメイヨシノが開花した。まだ一分咲き程度なので、これからしばらく楽しめるかな。今日は晴れて風も穏やか。朝から暖かかったので、セイゴはようやく上着無しで当園した。

金曜日、横浜環境保全㈱の堆肥化工場を見学してきました。神奈川で発生したゴミが農産物になって還元され、地域で消費されることでエネルギーの循環が生まれるということの素晴らしさを高く評価して、ダーリンが2月より導入した堆肥です。書くと切りがないから省きますが、とことん原始的(という表現が適当なのか微妙ですが)な方法を用いての堆肥化を実践しようと日々努力されていて、我が子同然の愛おしさで堆肥を育てていました。そう、堆肥は微生物の集まり。生き物なのです。驚くほどの手間と時間をかけた、質の高い堆肥作り。ご担当者のお人柄が出ていたなあ…。
つくばにある公的機関の研究所かと思うような、採算度外視としか思えない活動。でも一般企業がやっていることなので、採算無視は不可能です。では資金はどこから?と調べたら、横浜環境保全は神奈川県、特に横浜市のゴミ収集業務を請け負っている企業でした。なるほど納得。でもそれにしたって、意識の高い企業だと敬服します。

堆肥はぬか床とほぼ同じことをして育てます。ぬか床をゼロから作る場合、その辺りに存在する菌が米ぬかに住み着くことで発酵が起こる。小まめにかき混ぜて空気を送り、嫌気性の悪玉菌やカビの増殖を抑えつつ育てると、熟成して味わい深くなります。私にぬか床の元をくださった方は、100年ものの床を大切に育て、「我が子のようにかわいい」と仰っていました。堆肥も同じです。でもそれでは手間暇がかかり過ぎるので、最近よく聞くのはEM菌などを利用した堆肥です。簡単に利用できて悪臭が出ないなど、メリットについての記述をよく見ます。でも横浜環境保全では発酵菌を外から加えず、神奈川北部の杉チップを堆肥の元として(ぬか床のぬかに相当)使っている。神奈川で育った杉と神奈川にもともと存在する菌を使って育てた堆肥は、ここ三浦でも環境に適応してくれるはずです。なぜEMなどの強力な発酵菌を使わないのかについては次回尋ねてみるつもりだけど、現在のやり方がベストであることに間違いはありません。
その堆肥の元となったゴミ自体に、農薬や化学添加物、保存料が使われていたんではどうなの?という疑問は確かに残ります。でも私が堆肥の製造現場をこの目で見て感じたことは、私達の身近に存在する微生物が分解できたものは、私に対して毒性はないだろうということ。事実、ビニールやプラスチックは分解されずに残ってしまいます。最初は単なる野菜屑や残飯なので腐敗臭がすごいのに、完成した堆肥はサラサラとして手触りがよく、ほとんど無臭で、とても美しい。微生物アッパレ!そんな自分の五感が感じることこそ、自分が信じてもいい事実なんじゃないかなあと思います。
有機肥料の安全性の問題、ポストハーベストの問題、有機JAS法が安全性においては実は信頼できる規格ではないこと等、農業に携わって初めて気付いたことの多いこの頃です。じゃあ何を信じればいいの?それこそが、自分自身の五感で感じたことなのではないかなあと思います。

これからさらに五感を磨き、情報を吟味・検証できるだけの知性も磨く。その上で自分がいいと信じられるものだけを、ダーリンの作る野菜と一緒に紹介していきたい。5年後を目標に自然食品店を始めたい動機は、そんなところにもあります。
老いてボケてる場合じゃありませんわ。
by takaiku-n | 2008-03-25 15:07 | ヨメの日記
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