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たかいく農園改めたかいく新舎

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カテゴリ:今までとこれから( 2 )
《専業農家の今までとこれから》その9
無化学農薬、無化学肥料での栽培を持続するには、全滅のリスクを回避するためにも、ひとつの畑で少量多品目を栽培することがカギとなります。私達は菌と共生し、虫とも共生し、憎っくき天敵のはずのカラスとも共生に成功し、雑草と共生する道も見つけました。現在、当園の畑は、作物と草が生え揃った、とても美しい光景です。
#近隣の生産者にも好評なんですよ
より自然に近く、作物と菌・虫・鳥・草が共生する栽培。収穫されるものは少量多品目、また植物は生きていて育ち続けますから、常に同じ品質とはいきません。

でもそれは、社会で評価される農業ではありません。同じ価格なら同じ品質・大きさ。それが最優先の了解事項ですが、当園は今までも、なかなかそうはいきませんでした。現在の栽培方法では、さらにそれは難しく、不可能に近いです。生きて変化を続けるのが生物、そして自然です。工業製品と同様の価値基準を生物に当てはめること自体、無理があるんですね。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

もうひとつ、私達が気づいたこと。「自然と衛生は対極にある」。自然は菌だらけ、菌の種類や個体数が多ければ多いほど、その自然は豊かだと言えます。でも衛生とは、善玉も悪玉も全てひっくるめて、生菌数ゼロの状態をベストとします。つまり、不自然の極みが衛生的な環境というわけです。衛生を優先するためには、薬剤や加熱など、不自然な何かを足さなくちゃならない。一方、農作物の自然度を計るとしたら、それは酵素の含有量を測ることでおおよその判断が出来ます。収穫後日数が経てば酵素は失われるし、加工すればやはり失われます。農薬も酵素阻害剤といえますから、栽培のやり方でも酵素の含有量は大きく違ってきます。酵素についてはがん治療に利用されるなど、注目を集めつつありますから、興味をお持ちの方も多いかもしれません。農業と日々の暮らし、そのどちらも、微生物と共生することで上手に酵素を取り入れることができるのです。

その話はまた改めて。
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by takaiku-n | 2009-10-16 16:13 | 今までとこれから
《専業農家の今までとこれから》その8
今年の夏作は、全ての作物が無化学農薬・無化学肥料で栽培することができました。これは結果そうなった、というもので、最初から狙ったわけではありませんでした。スイカやメロンのようなウリ科は栽培期間が長い、実を収穫するものである、虫の多い時期である、病気も出やすい、などの理由から、はじめは数回の殺虫剤の使用は仕方がないだろう、と考えてスタートしました。

それでも通常行われている農薬散布が20回を超えますから、かなりの低農薬になります。作付けも昨年までと大きくは変えず、慣行栽培的な、一箇所に単一作物で始めました。
※昨年、当園では3回、殺虫剤を使用しておりました

ただスタートの時点で昨年までと大きく異なったのは、肥料を与えなかったことです。化成肥料はもちろんのこと、有機肥料も与えませんでした。なのにスイカもメロンも元気に育ち、アブラムシがどんどん広がってきても木の勢いが衰えませんでした。つまり自分に必要な養分は、自分の意志で自分に必要な分だけ根を張って獲得してきた、ということだと考えます。

アブラムシはウィルスを媒介するので、病気が蔓延しやすくなります。そのため、繁殖させる前に駆除するのが慣行栽培です。人間が風邪を引いて病院に行くと抗生物質を出されるのと似ています。細菌に感染する前に殺しておくわけです。ですが生育できているなら、アブラムシを排除する必要はない。アブラムシが繁殖している間は別の害虫が繁殖することはなく、そう考えると、作物とアブラムシは共生している面もある。

アブラムシが増えてどうしようもなくなる前に奴らの天敵が増えることをひたすら待ちつつ、ただ様子を見守っているだけの生産者。夏はすぐに腐敗するので、また実を取るので、冬場のように「傷や虫食いはご勘弁ください」とはいきません。収穫できなければ収入がないわけですから、何もしないことがどれだけ忍耐力の要ることか、思い知らされました。前例がないことですから、作物がやられてしまう前に天敵が大繁殖するという保障もありません。(もちろん、天敵の卵があることを確認していたのですが)作物の力を信じて待つことができるかどうか。

結局は虫や病気との闘いではなく、自分との闘いだったのです。

結果として自分を制し、収穫にも至りました。今まで常識だと思い込んできた栽培のいくつかが、農薬と肥料の使用を前提にしているものだったことが分かりました。もちろん生命力の弱い木は枯れ、収量はかなり減りましたし作物の個性が出た結果、よし悪しの差は大きくなりました。今年の経験を踏まえ、来年は作付けを変えるなど、より虫や鳥の協力が得やすい栽培を目指していきます。

手を下さずに待つこと。それは決して、生産者として何もしていないじゃん?ではなく、手をかけるより目をかけることこそが生産者の役割なんですね。

もうひとつ特筆すべきことは、この栽培を支えてくれたのは、支持してくださる友人、お客様でした。冬場、虫に食われてボロボロの白菜を「これでいいのよ」と快く買ってくださったお客様が大勢いらしたこと。心から感謝です。ありがとうございます!

作物を栽培することは、つくづく子育てに似ていると実感します。工業的ではない、機械的に生育するのではない作物の個性と力強さは、よくも悪くも期待を裏切ってくれます。面白いと言ってはお客様に申し訳ありませんが、常にスリルに満ちた真剣勝負をしているようで、楽しくもあります。

我が子にも同様の個性とパワー、そして柔軟性を備えてもらいたいと願います。
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by takaiku-n | 2009-07-30 16:14 | 今までとこれから